ホワイトロリータ

僕はルマンド派です

ハリルホジッチ解任が叫ばれていることについて

ハリルホジッチの解任を叫ぶ声は以前からあります。

何故なのかといえば、

結果が出てないから
内容に希望が持てないから

大きく分けるとこの2つが挙げられると思いますが、ちょっと冷静になってほしいと私は思うのです。
以下に挙げる前提を考慮してから解任を議論してほしいと思うのです。


① ハリルホジッチは大事な試合以外は結果にこだわっていない

本人が直接そう言っているわけではないので、選手選考や采配を見ての推測ですが、親善試合から結果にこだわるタイプであれば、招集歴の浅い選手をいきなり先発させるようなことはしません。
今は試行錯誤の段階であり、彼自身は来年のワールドカップ本番を見据え、そこで100%になるように準備しています。
今は100%である必要はありません。本番でピークを迎えればいいのです。

そもそも、日本代表チームに求められる「結果」はワールドカップしかありません。
ここがすべてであり、それ以前にどれだけ結果を残していようが、ここで負ければ失敗なのです。
ジーコジャパンがドイツやブラジルに引き分けても、ザックジャパンがフランスやベルギーに勝っても失敗と言われるのは、そういうことです。
逆にいえば、それまでボロクソで大会後に何も残らなかった岡田ジャパンが一定の評価を受けているのも、そういうことです(岡田ジャパンの場合、何も残さなかったツケが4年後に回ってきたわけですが)。

こんなんでワールドカップ大丈夫かよ? とファンがやきもきするくらいしかデメリットはないので、自分の首が飛ばない程度に親善試合は派手に負けるくらいがむしろちょうどいいかもしれません。
前評判の良いチームがそのまま圧勝するケースは、ワールドカップにおいてはさほど多くないのもまた事実なのです。

しかし、こんなことよりもっと考慮しなければならない現実があるのです。


② 日本人選手はレベルが低い

問題はこっちですね。
そもそもの話、監督があーだこーだやっても、結局選手が弱かったら話になりませんよと、そういうことです。

大前提として、日本はワールドカップ出場国の中でタレントの質では三流であることを理解しなければなりません。

まず、一流選手が一人もいない。
というより、歴代で見ても一流だったのは中田英寿ただ一人だったのでこれは仕方のないことでしょう。
全盛期の中村俊輔小野伸二香川真司で1.5といったところ。
今の香川選手は二流かどうかも正直怪しいです。マンチェスター・ユナイテッドモイーズに冷遇されてしまったことや、度重なる負傷が彼の成長を止めてしまいました。

つまり、今の日本代表は二流選手が数人と、残りは三流以下ということです。あくまで世界的に見ればの話ですが。
しかし、これは致し方のないことです。
元々、民族的に体格が恵まれているとはいえませんし、島国かつサッカーの強豪国からはかなり離れた位置にあるため、世界トップクラスのサッカーに触れる機会に乏しいのが現状です。
このような環境ではお山の大将が量産されるばかりです。井の中の蛙が大海へ飛び出しては打ちのめされる姿を何度もこの目で見てきました。

ではどうすればいいか。
世界のサッカーにもっと触れるしかありません。

国内組だけで試合をするたびに「やっぱり海外組がいないとダメか」と思ってしまうのは、海外組がヨーロッパの高いレベルで日々揉まれ、力をつけているからです。純粋なスキル面でもメンタルの面でも国内組と比べて「やっぱり違うわ」と思わせてくるのです。
それに比べればJリーグはぬるま湯なのです。しかし、これは世界トップレベルのサッカーを盗む機会に乏しいためで仕方のないこと。Jリーグはそんな状況でも努力をしている方だと思います。Jリーグより資金も環境もありながら整備されていないリーグは世界中にたくさんあります。ただ、悲しいかなそれだけでは限界があるのもまた事実。

ブラジルやアルゼンチンがヨーロッパの強豪と比較して競争力を落とさず闘っていられるのも、常に才能豊かな選手が次々海を渡っているからなのです。
そうしてトップクラスのチームで活躍する選手に刺激を受け、次代の選手も後に続き、ピークを過ぎた選手は自国リーグに戻ってその経験を若手に伝える、というサイクルが出来上がっています。
Jリーグプレミアリーグラ・リーガ並みの競争力を得るにはアジア全体がヨーロッパ並みにスケールアップしなければならず、そうなるには何十年かかるか、そして何十年かけたところでうまくいくかも分からない状況なので、現状ではこちらから世界トップの環境にアプローチをかけるしかありません。

もう一つ世界のサッカーに触れる方法は代表の試合です。
もっといえばアウェーの試合を増やすことです。

日本の立場で考えてみましょう。
外国から親善試合の招待を受けました。しかし、場所は地球半周分離れており、相手はFIFAランク100位くらいでワールドカップも出場できておらず、そこの国で有名な選手を挙げろと言われても全然思い浮かばない、という状況を仮定しましょう。
果たしてJリーグの代表選手たちはわざわざ行きたいと思うでしょうか。そこまでするくらいなら所属クラブでトレーニングをした方が良いと考える選手も多いのではないでしょうか。
現に、そんなシチュエーションの試合は殆ど組まれません。欧州遠征する際は大抵、格上のチームと試合が組まれます。それは当然です。数日選手を拘束しつつ、わざわざ長距離を移動するのですから。それに見合った価値のある試合でないと割に合いません。
そして、日本のホームで行われる試合でも当然、相手は同じことを考えます。だから、日本より格上のチームが来ることはあまりありません。そして、更にそれらの国がベストメンバーを揃えてくることは滅多にありません。
たまに、そこそこの国と試合ができるかと思えば相手は国内組オンリーだったり、主力選手が直前に来日を断念したりといったことは珍しくありません。
ザックジャパン初陣のアルゼンチン戦のようなシチュエーションはそう簡単には実現しないのです。

だからこそ、こちらから行かなければならないのです。
ヨーロッパ開催であれば相手からすれば移動距離もさほど負担にならず、ヨーロッパのリーグでプレーしている主力選手も揃えやすいため、日本としては質の高い試合ができる可能性が高まります。
コパ・アメリカの招待を受理するのもよいでしょう。日程の調整が難しいことなどから日本は辞退を繰り返していますが、親善試合ではなく、真剣な雰囲気で世界トップレベルの国と試合ができる数少ないチャンスです。

お金の問題など、いろいろ事情はあると思いますが、日本が強くならないとファンは離れていきます。
ワールドカップに出場した段階で一定の達成感があった時代はとうに過ぎてしまいました。
ファンの目も肥えてきたため、段々と結果のハードルも上がってきています。ここでファンを離さないためにも、もう一段階ステップアップが必要です。
そのためにも、日本が世界トップレベルを肌で感じる機会が必要なのです。



ということで、②が長くなりましたが、要するに監督一人クビにしたところで解決する問題じゃないということです。
これが元が優勝するポテンシャルのあるドイツやブラジル、スペインだったり、うまくいけばベスト4くらいはいけそうなベルギーやクロアチアなんかだったら、今がダメでも監督が代わればなんとかなるかもしれません。
しかし、元々1勝できれば御の字予選落ちが関の山レベルの日本が今更監督を替えてどうにかなるとも思えません。
そんな行き当たりばったりな人事より、ハリルホジッチの采配を信じてチームを熟成させた方がまだ可能性はあると思います。

元が弱くても継続性と忍耐力と戦術理解力と勝利への強い意志があれば、実力以上のチームにはなります。
とはいえ、国内組のメンタルは明らかに貧弱なので、ここは海外で揉まれた選手たちの叱咤に期待したいところです。

残りの継続性と戦術理解。

ハリルホジッチを解任すれば継続性は当然、失われます。

そして、戦術理解力ですが、フィジカルもテクニックも世界に劣る日本が勝つにはここが一番重要です。足で勝てないなら頭で勝負するしかありません。
一流選手が感覚でやっているようなことも、凡庸な選手は一つ一つ考えなければなりません。しかし、そうした地道な努力が強豪との差を少しでも縮めることに繋がるのです。
フットボール・インテリジェンスで世界トップレベルにまでなった選手の代表と言えばフィリップ・ラームが挙げられます。彼に関してはジョゼップ・グアルディオラがその知性に関して絶賛していたので有名ですが、フィジカルに優れているわけでもなく、派手なテクニックを持ち合わせているわけでもない彼が世界トップのサイドバックとして君臨していたのはその知性があればこそです。
日本人選手でいえば、宮本恒靖選手や長谷部誠選手がイメージしやすいと思います。
また、ザックジャパン時代の前田遼一選手は所属クラブとは異なり、2列目のタレントを活かすため前線からのチェイシング、攻撃時のポストプレーと陰に徹していました。全盛期の本田香川岡崎を支えていたインテリジェントな裏方でした。
こういった選手がもっと増えると日本もミラクルを起こすチャンスが増えてくると思います。

感覚によるプレーで勝負した場合、ロベルト・レヴァンドフスキハメス・ロドリゲスやサディオ・マネらの天才的な感覚に押し負けてしまいます。相手の方がセンスでは上回っていますからね。
その分、格下である日本は考え続けなければなりません。試合後に身体より頭が疲れているくらいには考え抜くべきです。


個人的な予想では日本はグループリーグ敗退に終わると思っています。
しかし、自国民としてそのような予想をせざるを得ないのは悲しいことですし、それが現実になるのはもっと悲しいことです。
あと半年ほどでワールドカップ本番を迎えますが、ここからチームの完成度を高め、いい意味で私の予想を覆してほしいと思います。

地理的に恵まれない環境の中、日本は着実に成長していますし、まだまだ成長すると思います。
しかし、もうワンランク上へ行くため、育成環境を始め今一つ足りていないのが現状です。
先へ進むためにも、何が必要かをよく吟味しなければなりません。
果たして、ハリルホジッチの解任は必要なことなのか、解任した先に何があるのかを考えなければなりません。