ホワイトロリータ

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ハリルホジッチ監督解任の裏側を考察する

昨日の16時、日本サッカー協会会長の田嶋氏の会見により、サッカー日本代表監督のハリルホジッチ氏解任が正式に発表されました。

また、後任には技術委員長の西野朗氏が就任することも正式に決定しました。

 

様々な思惑や疑惑が錯綜する解任劇でしたが、ここでその裏側(原因)を推察してみようと思います。

※個人のブログによる推察であることを予めご了承ください

 

 

素人目から見ても今回の解任が異常なのは明らかです。

たとえスポーツに興味がなくても、3、4年がかりのプロジェクトが本番ないし納期の2ヶ月前に突如方向転換したらどうなるでしょう。

もし、自分がそんなプロジェクトチームにいたら「失敗すると分かっているプロジェクトと心中しなきゃいけないなんて…」と思うことでしょう。

今の日本代表は正にそんな状態です。

一体何故そんなことに、と誰もが思う今回の悲劇、内部で異常なことが起きたか、そうでなければ協会の人間が薬物をキメているとしか思えないですが、今回は薬物ではない可能性を考えていきます。

薬物であればあとは警察のお仕事なので、私の出る幕はありません。

 

① 協会の保身

日本サッカー協会の批判は以前から噴出していますが、今回の解任にも当然大きく関わっています。

というのも、ハリルホジッチ就任の詳細にはどこか裏があるような気がしてならないのです。

八百長疑惑を受けてアギーレ監督が解任されたのは2015年2月のこと。その翌月、ハリルホジッチ監督の就任が決まったわけですが、実はこの時の会長は現職の田嶋氏ではありませんでした。

また、代表監督の人事権を持つ技術委員長もハリルホジッチ就任当時はそのボスニア人指揮官の後任に決定した西野氏ではありません。

つまり、協会のお偉い様方は、自分と無関係の人事によって責任を負いたくないと考えた可能性があります。

西野氏の視点で見るとわずか2ヶ月でチームを再建出来るなど誰も思っておらず、むしろ、このような状況でよく監督を引き受けたと同情の目で見る人も少なくないでしょう。こうなれば、代表監督の人事権を持つ技術委員長の立場より責任が降り掛かるリスクは明らかに下がります。

会長はといえば、会見で選手との不和を繰り返し主張していましたが、ハリルホジッチのコミュニケーションに問題があった、つまり成績とは直接関係のない部分が引き金になったと主張することで、以前から結果が出ていなかったのに何故今更、という指摘に対して表面上答えを出しています。結果は本番で出せれば問題はないが、選手と監督の摩擦はチームの崩壊要因になり兼ねないとする主張です。

更に掘り下げると、ハリルホジッチ監督就任時の技術委員長の霜田氏は2016年3月、日本サッカー協会会長に田嶋氏が就任したことによる組織改編で委員長を退任しており(この人事を事実上の降格とする向きもある)、加えて田嶋氏の会長再任が決まったのが今年の3月24日、そこからわずか2週間ほどでハリルホジッチ監督解任が正式発表されました。

何かと邪推せざるを得ませんが、日本サッカー協会が組織として自浄作用がなく健全ではないのは以前から客観的に指摘されているため、今回、私が述べたことが事実であろうがなかろうが、ロシアワールドカップ終了後には成績に関わらず、協会の方には自身の進退も含め、今回の騒動の落とし前はきっちりとつけていただきたいものです。

 

② 選手による直談判

一方、一部メディアでこんな噂も報道されています。

「一部主力選手」が監督のやり方を不服とし、解任も含めた不満を協会に直談判したとするもの。

もし、これが事実なら協会は更に組織として不健全ということになります。

何しろ監督より選手を優先したということになります。通常、チームに内在する不満分子は処分ないし追放という形を取ることで、チームの安寧を保つものです。選手の主張を尊重しつつ、一定の規則を設けることで健全な組織が保たれます。そこに、我の強い選手が現れ、更にその影響力が監督を上回るとチーム崩壊の合図です。

ただし、日本代表にそれほど影響力を持てる選手が存在するのか疑問に思います。どの選手も大した実績があるわけでもなく、世界に通用する実力があるわけでもないレベルで実績のある監督のやり方を不服とし、剰え監督解任を主張していたとすればとんだ甘えた勘違い野郎ではないでしょうか。

メディアに注目されて勘違いするタイプの人間こそ珍しくはないですが、日本代表選手に関しては思わず勘違いするようなレベルの選手は皆無のはず。一昔前の香川選手くらい実績があれば分からなくもないですが、それも最早ザックジャパン当時の話です。

ということで、選手が監督の解任を要請したという説はあり得ない。万が一そうであれば日本代表の選手はプロの資格すらないクズの集団になってしまう。特に、本田選手はメディアの前で大口を叩く程であるため、そのようなせこい真似は絶対にしない。していたら真のクズだからです。

 

③ スポンサーの圧力

スポンサーの圧力がかかったという意見もあります。

スポンサー視点で見れば、結局自社の製品が売れれば結果は二の次です。結果的にチームが混沌に陥ろうと関係ありません。

ハリルホジッチ監督はメンバーを固定せず、様々な選手をチョイスしていました。

スポンサーからすれば広告に掲示する選手を決めづらく、イメージキャラクターの設定もやり辛いことでしょう。

ザッケローニ監督は逆にメンバーを固定する傾向にあり、「神イレブン」というワードも生まれたほどです。これだけ固定されれば広告も作りやすいでしょう。何しろ、そのイメージそのまま選手を当てはめればいいだけなのですから。

更に、ブランドイメージの観点からすれば、短期的に爆発的なブームを起こすより、安定して結果が出ていた方が印象は良い。その点でも本番に照準を合わせるハリルホジッチとは折り合いが悪いです。その上、直近の結果も悪いとなれば自社のイメージを気にするのも致し方ないです。

特にキリンビールは社運をかけて新商品をアピールしている真っ只中のため、外的マイナス要因は余計にシビアとなっています。

直接の要因となるかは疑問ですが、スポンサーが圧力をかけていてもおかしくはないといえます。

 

以上が主要な要因と考えられます。

結果や監督の趣向する戦術が原因であれば解任の時期は以前よりあったはず。

ここまで散々に言ってきたサッカー協会も選手や監督経験者のため、直前の監督交代はろくなことにならないということも承知しているはず。

にも関わらずこのようなタイミングということは、やはり成績や戦術面とは考え難いです。

チームの不和が原因だとしても、選手たちもプロフェッショナルの集団なのだから残り2ヶ月しかないため、割り切って最後までやり切る覚悟はあるはず。

好き嫌いで2ヶ月前に物申すのは流石にイかれています。

 

そうした内情を会見で知りたかったのですが、そのような突っ込んだ質問は数少ないフリージャーナリストしかしませんでした。

新聞やテレビの記者は当たり障りのない質問をするばかり。

更にそんな質問にすら破綻した論理で受け答えする田嶋会長と、もはや茶番の1時間でした。

例を挙げればキリがないですが、「西野氏は技術委員長という立場で本来は責任を取る側にも関わらず監督就任というのはいかがなものか」という質問に対して田嶋会長の回答が「西野氏は代表を全力でサポートしている」と会話にすらなっていません。

 

ちょっと前まで盛んに解任論を振りかざしていたメディアもいざ会見になれば何でもない質問をして終わり。

まるで解任がゴールであり、目的は達成したからあとは形式だけ、と言わんばかりです。

本来は代表の成長や発達のための解任論のはずですが、彼らにとっては部数や視聴率を稼ぐための手段に過ぎないのでしょう。

 

協会、選手、スポンサー、メディアと様々な思惑が錯綜する今回の解任騒動。

今回、紹介した要因はどれも決定打に欠けるため、一概にこれだとは言い難いです。

今回、紹介していないところでも何か陰謀のようなものも存在するのかもしれません。私は協会関係者ではないため詳細は推測するしかないのですが、ただ1つ言えるのは日本サッカーの成長を妨げているのは間違いなく彼ら自身ということです。

 

最後にこの場を借りてハリルホジッチ氏には感謝を申し上げたく思います。

日本サッカーが目を背けていた部分に着目した上で、相手の弱点を突くスタイルは日本サッカーの新しい可能性を覗かせてくれました。

私自身は日本のグループリーグ敗退を予想していましたが、それは日本選手の地力によるところであり、監督の手腕については相手チームをどのように研究してくるのか、むしろ注目すらしていました。

そして何より、本番に合わせてくるこのスタイルが日本にフィットするのかという最重要な問いに、その本番によって答えが出ることなく解任されることになり、非常に残念に思います。

日本は新しいスタイルに適応するのか結局解が出ないまままたリセットすることになりました。

今後、どこかで「日本は最悪の国だった」と言われるかもしれませんが、それも致し方ない。そう言われかねない程のことを日本はしました。

しかし、私はハリルホジッチに感謝します。このような国で監督を引き受けてくれたことを。